⚠️ この記事は医師監修が必要です。公開前に必ず監修医のレビューを受けてください。
AGA治療の内服薬として代表的なフィナステリドとデュタステリド。「どちらが強いのか」「副作用はどちらが多いのか」「切り替えるタイミングは?」——これらの疑問に、添付文書・ガイドラインをもとに客観的にお答えします。
どちらの薬も処方薬です。選択は医師と相談の上で行ってください。
2剤の基本情報
| 項目 | フィナステリド | デュタステリド |
|---|---|---|
| 商品名(先発品) | プロペシア | ザガーロ |
| 成分 | フィナステリド | デュタステリド |
| 承認 | 日本承認(保険適用外) | 日本承認(保険適用外) |
| 用量 | 1mg/日 | 0.5mg/日 |
| 投与方法 | 1日1回内服 | 1日1回内服 |
| 月額目安 | 1,000〜5,000円 | 2,000〜8,000円 |
詳しい価格比較はフィナステリドの価格比較・デュタステリドの価格比較をご覧ください。
最大の違い|DHT抑制率
両薬の最も重要な違いは「DHT(ジヒドロテストステロン)抑制率」です。
DHTはAGAの主な原因物質です。「5αリダクターゼ」という酵素がテストステロンをDHTに変換しますが、この酵素には2種類(I型・II型)あります。
| 酵素の種類 | 主な存在部位 | フィナステリド | デュタステリド |
|---|---|---|---|
| 5αリダクターゼ I型 | 皮脂腺・肝臓 | 阻害しない | 阻害する |
| 5αリダクターゼ II型 | 毛包・前立腺 | 阻害する | 阻害する |
- フィナステリド: II型のみを選択的に阻害 → DHT約70%抑制(目安)
- デュタステリド: I型・II型両方を阻害 → DHT約90%抑制(目安)
デュタステリドはフィナステリドより強力なDHT抑制効果が期待されます。
効果発現の違い
フィナステリド
- 効果が現れ始める時期: 一般的に3〜6ヶ月
- 効果の評価時期: 12ヶ月以上の継続後が目安
- 特徴: 比較的緩やかに効果が出るとされる
デュタステリド
- 効果が現れ始める時期: フィナステリドと同程度または早い場合も
- DHT抑制率が高いため、フィナステリドと比較して効果が強い傾向があるとされる
- 特徴: 体内での半減期が長く(約4週間)、1日1回の服用で効果が持続しやすい
ただし、どちらの薬も「必ず効く」というものではなく、個人差があります。また、効果の判断には数ヶ月以上の継続が必要です。
副作用の比較
両薬ともに、性機能に関連する副作用が報告されています。
| 副作用 | フィナステリド(目安) | デュタステリド(目安) |
|---|---|---|
| 性欲減退 | 1〜2%程度 | 1〜2%程度 |
| 勃起機能不全 | 1〜2%程度 | 1〜2%程度 |
| 射精障害 | 1%以下 | 1%程度 |
| PSA値低下 | 約50%低下 | 約50〜60%低下 |
※頻度は添付文書記載の目安。個人差があります。
PSA(前立腺特異抗原)について: 両薬ともにPSA値を低下させるため、前立腺がんのスクリーニングを受ける際は服薬中であることを医師に告知する必要があります。
副作用が出た場合
副作用が疑われる場合は自己判断で服薬をやめず、まず医師に相談してください。用量調整や薬の変更で改善する場合があります。
どちらを選ぶべきか|判断の考え方
「どちらが良いか」は一律には言えません。医師と相談しながら以下の観点で選択します。
フィナステリドが選ばれやすい場合
- AGA治療を初めて始める方(まず標準的な治療から試す)
- 副作用を慎重に様子見したい方
- コストを抑えたい方(フィナステリドの方が価格が低い傾向)
デュタステリドが選ばれやすい場合
- フィナステリドで十分な効果が得られなかった方
- AGAの進行が速い・広範囲に及んでいる方
- より強力なDHT抑制を求める方
切り替えのタイミング
フィナステリドからデュタステリドへの切り替えは、以下の状況で検討されることがあります。
- フィナステリドを12ヶ月以上継続したが薄毛の進行が続いている
- 医師がより強い効果が必要と判断した場合
切り替えの際も自己判断ではなく、必ず医師に相談してください。
ミノキシジルとの併用
フィナステリド・デュタステリドは、ミノキシジルとの併用で使用されることがあります。
- フィナステリド/デュタステリド: DHT産生を抑え、毛包へのダメージを防ぐ
- ミノキシジル: 血流促進・発毛を促す
「根本原因へのアプローチ」と「発毛促進」を組み合わせることで、相互補完的な効果が期待されます(個人差あり)。ミノキシジルについてはミノキシジルの効果と副作用をご覧ください。
ジェネリック薬品について
フィナステリド・デュタステリドは、先発品(プロペシア・ザガーロ)の特許期間終了後、ジェネリック(後発医薬品)が登場しています。
ジェネリックは有効成分が同一ですが、添加物・製造方法が異なる場合があります。先発品と同等の品質基準で承認されていますが、先発品から変更する際は医師・薬剤師に相談することをおすすめします。
ジェネリックは先発品と比較して費用が安くなる傾向があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. フィナステリドで効果がなければデュタステリドに変えるべきですか?
A. フィナステリドで十分な効果が得られない場合、デュタステリドへの切り替えを医師が提案することがあります。ただし、効果の判断には最低でも12ヶ月程度の継続が必要とされています。自己判断で切り替えるのではなく、医師と相談してください。
Q2. 副作用の性機能への影響はどれくらい続きますか?
A. 多くの場合、薬の中止とともに副作用は改善するとされています。ただし、まれに中止後も影響が持続する「Post-Finasteride Syndrome(PFS)」が報告されており、詳細な研究が続いています。副作用が気になる場合は医師に相談してください。
Q3. 女性はフィナステリド・デュタステリドを使えますか?
A. 女性(特に妊婦・妊娠の可能性がある女性)は禁忌です。男性ホルモンへの作用が胎児(特に男性胎児)の発育に影響する可能性があるためです。また、薬を素手で触ることも避けるよう指示されています。
Q4. 食事や飲酒と一緒に服用しても大丈夫ですか?
A. 食事の影響を受けにくい薬とされています(添付文書参照)。ただし、詳細は処方された薬の添付文書・薬剤師の指示に従ってください。
Q5. 服用中に献血できますか?
A. フィナステリド・デュタステリドを服用中は、男性胎児への影響リスクから日本赤十字社の基準により献血ができません(服用終了後も一定期間の制限あり)。詳細は日本赤十字社の基準をご確認ください。
本記事の情報は一般的な参考情報です。診断・治療は必ず医師にご相談ください。
参考: プロペシア・ザガーロ各添付文書、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
最終更新: 2026年4月
